ボクは子供の頃、美術館や博物館に行くのが大好きでした。そこでは普段見られないようなものがいっぱい見られたからです。顔を近づけても写真かと思うようなリアルな絵や、不思議なゲージュツや、そして本やテレビで見たことしかない何千年も前のミイラなどなど!そこでは授業のように何かを覚えたり理解する必要はなくて、ただ勝手に絵やミイラから自由に何かを「感じて」いればよかったのです!
そして成長して美術を勉強し始めたころ、ボクは逆に美術館や博物館がちょっとキライになっちゃいました。その理由は飾ってあるものの多くが本来そこにはないものだったからです。もともと地中深く墓に埋もれていた神聖な物、王の宮殿を飾っていた秘宝、、一族の秘められた記録。それらをバカでかい空っぽの建物にこれでもかと並べる様子はただ「こんなすごいもの集めたよ」みたいなお金や力を自慢するもののように見えたからです。ちょっとへそ曲がりだったかな(笑)
そして今、自分は再び美術館や博物館が大好きになっています。美術館や博物館の仕事をする機会が増え、それを支えてる人たちが一枚の絵一つの壺を展示するのにいかに苦労しているかを知るようになったからです。大勢の人たちがたくさん勉強しふさわしい作品を世界中から集め、並べる順番からキャプション一枚に至るまで細心の注意を払ってひとつの展覧会を作っています。
地球や人間は長い長い年月かけてものすごくたくさんの「何か」を作ってきました。ってもそれを全て自分で見られるわけはありません。美術館や博物館の展覧会はそのエッセンスをプロの人たちが集めて展示してくれているということかもしれませんね。
自分だったら「地球」というテーマで展覧会を開くとすれば何を展示するだろう?
そんな風にいろいろ考えながら見ると展覧会ももっと楽しくなるかもしれませんね。
